香典辞退の断り方|「そんなこと言わないで」と言われた日

会社で香典を差し出された時の断り方
香典辞退と伝えたのに会社で差し出された時、角を立てず断る言葉や対応は?

香典辞退を会社で伝える際は、お悔やみの感謝を述べつつ遺族の意向を明瞭に伝えて辞退し、お気持ちのみを温かく受け取る姿勢を示すのが唯一の正解です。

目次

第1章:家族葬で香典を辞退したのに、なぜ職場では伝わりにくいのか

1-1:訃報連絡で辞退を伝えても、職場の前例が優先されてしまう理由

朝、オフィスのデスクに向かう足取り。

重い引き出しを開ける手に、どこかぎこちなさが残る朝。

訃報連絡や案内状で「香典辞退」の意向を文章で伝えたとしても、会社という組織特有の環境や事情によって、その意思がすんなり伝わらない場面に出くわします。

大手企業の多くには、「社規」や「慶弔規定」が存在し、香典や供花の扱いがマニュアル化されていることが背景にあるものです。

そのため、過去に会社が組織として香典を出す「前例がある場合」には、個人の辞退の意思よりも会社の規定や慣習が優先されてしまい、意向がスムーズに通りにくいのが現状です。

前例のない中小企業や個人経営の会社のように「前例がない場合」は、香典の授受が個人の裁量に任されることが多くなるもの。

社規で「香典の授受は自由」とされている場合であっても、同僚の「せっかく用意してくれたのに」という心理が強く働きます。

事前の伝達を徹底したとしても、個人の善意から当日や出勤後に「どうしても」と渡されるケースは少なくありません。

どうしてこちらの思いが届かないのだろうと、戸惑うこともあると思います。

1-2:「参列できなかった人は後日渡す」という、これまでの職場の慣習

一般的な宗派の傾向として、仏式では香典を持参することが一般的であり(神式では玉串料、キリスト教式では献花料)、家族葬においてはこれらを辞退するケースが多く見られます。

しかし、これまでの一般的な葬儀の慣習から、葬儀に参列できなかった同僚や上司が出勤後に「気持ちだから」と香典を渡そうとする行為は、根強い文化として残っている。

総務等を通じて「会社全体で香典辞退」という空気が作られていない場合、このような個人間でのやり取りが発生しやすくなります。

戦後の高度経済成長期以降、地域共同体に代わって「職場(企業コミュニティ)」が人々の生活保障や相互扶助の基盤となりました。

企業コミュニティでは、従業員の慶弔に対して会社や部署全体で関わり、手厚くサポートする慣習が根付いていたのです。

実際、全日本冠婚葬祭互助協会のアンケート結果によれば、香典を持参するタイミングとして74.2%が「通夜に持参する」と回答しており、葬儀の場に駆けつけることが一般的な弔意の示し方とされてきました。

こうした歴史の歩みがあるからこそ、今もその強力な名残として、「参列できなかった者は出社後に直接渡して弔意を示すべきだ」という慣習が色濃く職場に残っている。

古い助け合いの歴史が、現代のあなたの立場とすれ違ってしまう歯がゆさ。

職場の慣習と個人の思いが交差する瞬間

会社で香典辞退が伝わらない理由

1-3:自分が初めて家族葬を経験する立場である戸惑い

身内のみで静かに送り出す家族葬の形式を選ぶ方は増えていますが、自身が遺族として初めてその立場になった際、職場でどのように振る舞うべきか戸惑う方は少なくありません。

訃報連絡の際に「家族のみで静かに送り出す家族葬とさせていただきますので、香典は固くご辞退申し上げます」や「故人の生前の意向で、香典は受け取らない形で考えていますので、ご用意いただかなくて結構です」と明確な理由を添えて伝えたとしても、いざ目の前で善意を向けられた際、断り方が分からずに結局受け取ってしまうという葛藤が生じる。

急な出来事に、心の準備が追いつかないのも無理はないですよね。

実際に過去1年以内に葬儀を執り行った経験のある方を対象とした調査(LDT株式会社で2025年)では、葬儀で困った点として「関係者への訃報連絡(23%)」や「心の整理がつかないまま準備した(5%)」ことが挙げられています。

また、親族が亡くなったあとの戸惑いの声として「どこまでの人を呼んでどうすればいいのか分からなかった」といった連絡範囲への不安が多く寄せられている。

さらに家族葬経験者の不満点として「香典を辞退したのに、後日渡された」という声も挙がっており、初めての喪主や遺族としての心理的な余裕がない中で、職場で「後日渡される香典」を断ることは、遺族にとって大きな精神的負担と戸惑いをもたらしているのが実情です。

キヨカマの心の栞

差し出された手に惑わされなくて大丈夫ですよ。辞退の意思を守り抜くこともまた、あなたが故人と交わした温かい約束なのですから。

第2章:出勤後、同僚から香典を差し出された時の断り方

2-1:角を立てずに辞退の意思を伝える、具体的な言葉

職場で直接香典を差し出された際は、基本となる「3つのステップ」を踏まえて対応することが重要です。

  • 相手の気持ちにまず感謝する:「お気遣い、本当にありがとうございます」と伝える。
  • 辞退の理由を簡潔に伝える:「ご厚意は本当に嬉しいのですが、今回は遺族の意向で香典を辞退させていただいております」と述べる。
  • 今後の関係性に触れる:「どうかお気持ちだけ、ありがたく頂戴いたします」と締めくくる。

一方で、やってはいけない不可欠な注意点、NGな対応もあります。

「辞退すると連絡したはずです」と相手を責める口調で詰め寄ってしまうと、相手は善意を全否定されたと感じて傷つき、今後の職場の人間関係に修復しがたい亀裂が生じてしまいます。

また、長時間の押し問答を続けてしまうと、業務の時間を圧迫するだけでなく、互いに引くに引けない感情的な意地が生まれて気まずさが残る。

さらに周囲の目に触れる場所で大声で断るような行為は、「せっかくの親切を冷たく撥ね退ける人だ」と周りの社員に誤解を与え、オフィス全体の空気を冷め切らせてしまう結果を招きます。

具体的なセリフとして、同僚が「これ、よかったら」と持ってきた場合には、次のように伝えます。

「〇〇さん、お気遣い本当にありがとうございます。実は今回は家族の意向で香典を辞退しているんです。お気持ちだけ、ありがたく頂戴しますね」

言葉を短く整えるだけで、お互いの呼吸がすっと軽くなりますね。

2-2:それでも渡そうとしてくる場合、どう応じるか

丁寧に断っても、「いや、これは私の気持ちだから」と強く勧められる場合があります。

その際は、個人的な判断で受け取れない旨を強調し、以下のように応じる。

「おっしゃることは本当によく分かります。ですが、今回は遺族全員で『香典は辞退する』と決めておりますので、私だけ特別に受け取ることはできません。〇〇さんの温かいお気持ち、本当にありがとうございます。どうか、お気持ちだけお受け取りいただけますよう、お願いいたします」

また、直接手渡しされず、封筒を机の上に置かれて相手が退席(退職)された場合には、後で追いかけるか、チャットやメール等で次のように伝えてお返しします。

「先ほどは、香典をありがとうございました。ですが、ご連絡の通り今回は香典を辞退させていただいておりますので、恐縮ですが、こちらはお返しさせていただきます。本当に、お心遣いだけうれしく思います。どうぞ、お気遣いなく」

机の上に残された白い封筒を前に、静かに深く息を吐く。

2-3:辞退した理由を、聞かれたらどう説明するか

「なぜ辞退するの?」と直接聞かれた場合は、「遺志」「家族の意向」「参列者の負担」のいずれかの理由を伝えるのが無難です。

  • 故人の遺志を理由とする場合:「故人が生前、『周りの人に負担をかけたくない』と言っておりましたので」と伝える。
  • 家族の意向を理由とする場合:「家族で話し合い、簡素な形で送り出すことにしましたので」と述べる。
  • 参列者の負担を理由とする場合:「お忙しい中、心遣いいただくのは恐縮ですので」と添える。

理由をシンプルに届けるだけで、相手も深く踏み込まずに察してくれますよ。

キヨカマの心の栞

断る心苦しさに胸を痛めないでくださいね。あなたの丁寧な言葉選びこそが、相手の善意に対するいちばんの誠実さなのです。

第3章:会社への香典辞退、事前に伝えるべきこと

丁寧な言葉選びで相手の善意を受け止める

角を立てない香典の断り方と対応

3-1:訃報連絡の際に、辞退の意思をどう伝えるか

キーボードを叩く指が、一瞬止まる。

職場への訃報連絡や案内状で香典辞退を伝える際は、単なる遠慮ではなく「意思のある辞退」であると相手に理解してもらうため、「なぜ辞退するのか」という理由を添えるのが一般的です。

主な理由と例文は以下の通り。

  • 故人の遺志による場合:「故人の生前の意向で、香典は受け取らない形で考えていますので、ご用意いただかなくて結構です」
  • 家族葬(身内のみ)の簡素な形式による場合:「家族のみで静かに送り出す家族葬とさせていただきますので、香典は固くご辞退申し上げます」
  • 参列者の負担を減らしたい場合:「お忙しい中、心遣いいただくのは恐縮ですので、香典は辞退させていただきます」

また、職場・会社へのメール連絡の例文としては、休暇申請に続けて次のように記載します。

「また、誠に恐縮ではございますが、今回の葬儀は家族のみで執り行います。そのため、参列や香典のご厚意はご遠慮いただきたく存じます。お忙しいところ、誠に恐縮ではございますが、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます」

3-2:伝えていなかった場合、後からでも伝えていいのか

職場への訃報連絡の際に、悲しみや慌ただしさの中でつい香典辞退の意向を伝えそびれてしまうこともあります。

また、事後報告として後から伝えるケースも少なくない。

その場合でも、出勤後や事後報告のタイミングで、改めて丁寧に辞退の意向を伝えることは決してマナー違反ではありません。

葬儀後に訃報連絡をする場合は、香典を辞退する意向と併せて、葬儀が無事に済んだことと、事後報告になったことへの謝罪を伝える。

例えば、出社時の朝礼やメールで「葬儀につきましては、故人の遺志により家族のみにて相済ませました。事後のお知らせとなりましたことをお詫び申し上げます。また、誠に勝手ながらご香典やご弔問は固くご辞退申し上げます」と伝えるのが適切です。

こうすることで、相手が「葬儀に呼ばれなかった」と残念に思うことを防ぎつつ、後日香典を用意してしまう手間を省くことができますね。

「仏壇への封筒の書き方はこちら」

3-3:総務や上司を通じて伝える方法

社規や慶弔規定が定められている会社では、総務や上司を通じて「香典辞退の意向」を伝えるのが効果的です。

総務には「家族葬で香典を辞退しておりますので、社としての香典もご遠慮ください」と直接連絡する。

上司には「同僚に香典を辞退する旨を伝えていますが、もし何かあればフォローしていただけると幸いです」と相談をしておく。

これにより「会社全体で香典辞退」という空気が作られ、口コミ体験談にあるように社内メール等で周知してもらえることで、個人間でのやり取りがスムーズになります。

また、宗派によっても対応が異なる。

宗派表記の例
仏式香典は辞退
神式玉串料は辞退
キリスト教式御花料(献花料)は辞退

辞退する際は、それぞれの宗派に合わせて「玉串料は辞退」「献花料は辞退」と明記する必要があります。

細やかな配慮が、お互いの負担をそっと減らしてくれますよ。

キヨカマの心の栞

ひとりで抱え込まなくて大丈夫。総務や上司の力を借りて、あなたの心を守る静かな環境を作っていきましょう。

第4章:それでも受け取ってしまった時の対応

「香典返しを2品にする際のマナーはこちら」

4-1:断りきれずに受け取った場合、香典返しは必要か

手の中に残された、思いのほか重みのある白い封筒。

結論から言えば、原則として、辞退していたにも関わらず断りきれずに受け取ってしまった場合、香典返しは不要です。

相手は「遺族の負担を減らしたい」という気持ちで渡しているため。

ただし、「お礼の連絡(電話やメール)」は必ず送るべきです。

例外として、1万円以上の金額が大きい香典をいただいた場合は、「半分から1/3程度(半香典返し)」を目安に香典返しをしても構いません(例:5000円なら2000〜3000円程度)。

また、供花のみをいただいた場合は、お礼の連絡だけで問題なく、菓子折り程度を添えても丁寧。

受け取ってしまった自分を、どうか責めないでくださいね。

4-2:同僚の気持ちを無下にしないための受け止め方

同僚が「これ、よかったら」と差し出してくる言葉の裏には、「あなたを気遣いたい」という温かい気持ちが必ず存在しています。

「辞退したい」という明確な意思表示は決して相手への無礼ではなく、遺族としての誠実な気持ちの表れ。

相手の善意を否定せず、「お気持ちだけ、ありがとうございます」と温かく受け止めてあげることが何より大切です。

実際に、香典を辞退したことで、かえって同僚が「気持ちだけ」と花束をくれたり、「何か手伝えることある?」と温かい気遣いの声をかけてくれたという体験談も寄せられている。

人の優しさに触れて、ふっと肩の力が抜ける瞬間。

4-3:後日お礼を伝える場合の言葉選び

受け取った香典に対し、49日後に「忌明けの挨拶」と一緒に簡単な菓子折りなどを添えるのも丁寧な対応ですが、基本的にはお礼の連絡だけで十分とされています。

49日(忌明け)を迎えた後、職場で改めてお礼を伝えるのは、日本の葬儀文化において非常に重要なマナーです。

特に、香典を辞退したのに受け取ってしまった場合や、急な忌引きで周囲に負担をかけた場合、このタイミングで丁寧にお礼を伝えることで、人間関係がより円滑になる。

挨拶の構成は、「お休みをいただいたことへの『お詫び』」、「不在中の業務代行やいただいたご厚意への『感謝』」、「49日法要を無事に終えたという『報告』」、「これからの『抱負』」の4つの要素を組み込みます。

たとえば、上司に対しては、「この度は、父の葬儀にあたり、〇〇部長にはご香典(あるいは弔電・供花)を賜りまして、誠にありがとうございました。おかげさまで、49日の法要も無事に終えることができました。本日より、新たな気持ちで業務にあたりますので、引き続きよろしくお願いいたします」と伝える。

また同僚には、「私が不在の間、業務を引き受けてくださり、本当にありがとうございます。おかげさまで無事に終えることができました」と感謝を述べる。

香典を辞退していたにもかかわらず受け取ってしまった場合は、「辞退しておりましたのに、温かいご厚意をいただき恐縮です」という謙虚な気持ちを添えることが、相手の善意を受け止めるための大切な言葉選びとなります。

キヨカマの心の栞

受け取ったことを後悔しなくてもいいのですよ。相手の優しさをそのまま受け止めたあなたの温かさも、ひとつの素晴らしい選択です。

第5章:いつも渡す側だった私が、初めて辞退した日


両親の葬儀は、どちらも家族以外は誰も呼ばない、いわゆる超家族葬でした。両親が生前から強く望んでいたことです。

私の会社には、100人ほどの従業員がいます。社員の家族に不幸があると、社員一人につき1,000円を香典として出す、という慣習がありました。私自身、これまで何度も、同僚の家族の不幸があるたびに、その香典を出してきました。

でも、いざ自分の番になった時、私は辞退することを決めました。両親どちらの時も、そうしました。

その意向を、事務員の女性に伝えた時のことです。

「香典は辞退しますので、結構です」

そう言った私に、彼女はこう返してきました。

「そんなこと言わないでよ」

理由を聞くと、彼女はこう続けました。

「だってあなた、他の社員さんの時はいつも真っ先に香典を出していたじゃない。仲のいい人の時なんて、1,000円以上出してたでしょ。なのに、自分の時はいらないなんて、そんなのダメだよ」

私は思ってもみなかった言葉を聞き心が震えました。そして胸がジーンと熱くなったのを覚えています。まさかそんな暖かな気持ちをもらえるなんてと嬉しくなりました。

結局、私は辞退を貫きました。香典はいただきませんでした。

でも、正直に言うと、その一言がどれほど嬉しかったか。

「いつも渡す側だったあなたが、今度は受け取らないなんておかしい」

そう気にかけてもらえたこと自体が、何よりの温かさでした。

その日、私は真っ先に、亡くなった両親にそのことを報告しました。

辞退することは、決して冷たいことではありません。それでも、辞退したその意思の裏側に、こんな風に温かい気持ちを向けてくれる人がいる。そのことを、私はあの日、身をもって知りました。

もしあなたが今、辞退を伝えたのに、同僚から「そんなこと言わないで」と引き留められて戸惑っているなら、どうか知ってください。

それは、あなたを大切に思っている証拠です。

辞退の意思を貫いても、その気遣いに感謝を伝えることも、両方とも、間違いではありません。

どちらの選択も故人を想う誠実な答えです


辞退した香典を受け取った時の対応

第6章:職場での香典辞退、これからのために

6-1:自分が渡す側になった時、どう振る舞うか

職場の同僚が家族葬を行い、香典を辞退していると知った場合、どのように振る舞うのが正解でしょうか。

基本となるのは、遺族の意向を最優先に尊重すること。

辞退には「香典返しの手間を省きたい」「経済的な負担をかけたくない」といった様々な理由があり、無理に香典を渡すことはかえって遺族の手間を増やし、迷惑となってしまう可能性があります。

香典を辞退された場合は、その理由を深く尋ねたりせず、お悔やみの言葉をかけるなどして静かに見守るのがマナー。

それでも「どうしても弔意を示したい」という場合は、香典の代わりに、お線香(相場5000円前後)や日持ちのするお菓子などの供物(相場4000円前後)を贈るという選択肢もあります。

ただし、遺族が香典に加えて「供花や供物も辞退する」と明言している場合は、これらも無理に贈らず、温かい言葉をかけるだけに留めるのが最も相手に寄り添った対応となります。

相手の静けさを守る思いやりも、大切なやさしさですね。

6-2:職場の前例を、少しずつ変えていくということ

かつての日本では、職場(企業コミュニティ)の結びつきが強く、従業員の慶弔に対して会社や部署全体で関わり、手厚くサポートする慣習が根付いていました。

しかし現代では、社会構造の変化や家族の私事化(公的な付き合いよりも私的領域を重視する傾向)が進み、個人の生活や意向を尊重する形へと変化している。

「これまで部署の人はみんな香典を出し合っていたから」という昔ながらの慣習に、あなたが無理に合わせる必要はありません。

戸惑いながらもあなたが今回勇気を持って「辞退」を伝える行動そのものが、過去の慣習にとらわれていた職場の空気を少しずつ変えていく、大切な一歩になります。

あなたの一歩が、次に同じ立場になる同僚の心を救うきっかけにもなる。

6-3:辞退も受け取りも、どちらも正解であるという考え方

香典は本来、葬儀にかかる多額の費用を補い合い、遺族を経済的に支えるという相互扶助の精神から生まれた大切な文化。

そのため、香典を受け取ることは決して相手に負担を強いるだけの行為ではなく、同僚や会社からの温かい弔意(気遣い)を素直に受け止めるという大切な意味を持ちます。

一方で、参列者への負担や香典返しの手間を配慮し、「香典辞退」を選ぶこともまた、現代における遺族の誠実な決断。

香典を辞退することで、香典返しの準備などにかかる時間や労力を省き、故人とゆっくり向き合って最後のお別れをする時間を確保できるという大きなメリットがあります。

辞退するのも受け取るのも、どちらも故人や周囲の人々を想っての選択であり、そこに正解や不正解はありません。

自分たち家族にとってどの選択が最も心穏やかに故人を見送れるかを話し合って決め、周囲もその選択を温かく尊重することが何よりも大切。

どちらを選んでも、あなたの想いは真っ直ぐ故人に届いていますよ。

キヨカマの心の栞

あなたが選んだ道に迷いを抱かなくて大丈夫。どんな選択であっても、故人を想うあなたの愛おしい気持ちに変わりはないのですから。

「家族葬での香典マナーについてはこちら」

まとめ:辞退することは、冷たさではなく、ひとつの誠実な選択です

葬儀を終えて出勤した際、同僚から差し出された香典を断る手立て。

それは相手の善意を冷たく突き放す行為ではなく、遺族として「周囲の方々にこれ以上の負担をかけたくない」という思いや、家族だけで静かに故人と向き合いたいという誠実な願いからくる選択です。

同僚の「何かしてあげたい」「気遣いたい」という温かい気持ちには心から感謝しつつ、「お気持ちだけ、本当にありがたく頂戴します」と丁寧に伝えることで、人間関係を損なうことなく、あなたの意向を伝えることができる。

「辞退」という選択が、お互いにとっての思いやりの形として、職場でも少しずつ当たり前のように受け入れられていくことを願っています。

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この記事を書いた人

ご訪問ありがとうございます。管理人のキヨカマです。
私は、父の代から受け継いだ曹洞宗の檀家として、現在3つの仏壇と2つのお墓を管理しており、毎月のお墓参りを欠かしません。父は5年前から私を意図的に和尚様に紹介し、お寺の行事へ導いてくれました。その後、去年11月に父が他界し、正式に家の責任を引き継ぐことになりました。
長年、家族と共に歩んでまいりましたが、人生の様々な節目で、大切な人との別れも経験してまいりました。昔ながらのしきたりを大切にしつつも、現代はライフスタイルも多様化し、仏壇や供養の形も大きく変化しています。「マンション暮らしだから大きな仏壇は置けない」「今の生活に合う供養の仕方はあるのか?」と戸惑う方も多いのではないでしょうか。
このブログでは、和尚様から学んだお言葉と、自身の実体験を基に、現代の暮らしに無理なく馴染む、温かい供養の形を提案していきます。
私自身、シニアになってからのデジタル挑戦です。同じように「ネットの情報は冷たくて分かりづらい」と感じている同世代の方にも、安心して読んでいただけるような、温もりのあるブログを目指しています「和尚様からのご指導と、実際に供養の現場で直面した課題を解決してきた経験を、同じく迷い悩む皆様へ、確実な情報としてお届けすることが、このブログの使命です。」

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